Lyric

綺麗に割り振られた 部屋の中では

あの子みたいにうまく踊れないから

余計に読み込まなきゃ

かじかんでまた 焦るページ

ひらひらり

夢を見た 夢を見た朝は

いつもよりも 昨日へ戻りたくなる

少しだけ 少しだけ

そう思うほどに

窓深く張り付く朝露

霞んでいる

霞んでいるけれど

普遍の女学生たちは教室へ

落ち葉敷く道 構わず踏んでいく

大事な小説 変わらず読んでいる

あの子は今日も照らしている

振り返った 置いてかれたようで

木枯しが今日を梳かしていく

ここから逃れるように

かじかみ始めた指先も

袖で隠すことに慣れてしまった

泥濘みは消えないままに

舞い踊る枯れた葉も

抱きしめた物語と

季節は今日も急かしている

繰り返した 老いて枯れるように

この街へ今日も降らしていく

この部屋で踊るように

透明文学を飲み込んで鳴らして

ひと粒ずつ

秋のしおりを挟んでいく

Rainy girl

雨足音とだけ過ごせる放課後

滴る教室

彼女をつつんでいく

綺麗に割り振られた 部屋の中では

あの子みたいにうまく踊れないから

余計に読み込まなきゃ

かじかんでまた焦るページ

ひらひら めくりめくって

時計の音が滲む 夢は溶けて

末枯れる景色

未来へ巡り巡って

透明文学を飲み込んで鳴らして

少しずつ 秋の匂いを纏っていく

Rainy step

雨足音と混じり合うページ繰る音

ひと粒ずつ掬う

彼女は綴っていく