

冬の朝の 神泉の坂
ドライバーで 表札のネジ
一本ずつ 冷たく回す
出ていく朝に 手がかじかむ
二人で貼った 手書きの名字
彼の字が二つ 並んでいた
ネジが緩んで 少し傾く
名前が壁から 離れてゆく
最後のネジを 抜けば落ちて
手のひらに来る 木の重さ
壁には白い 長方形
息を止めたまま 跡を見てる
日に焼けなかった 名前の形
そこだけ白く 残っている
輪郭だけが 壁に居座る
もう戻らない 白い名残り
大和の玄関 名札の下で
「誰々の娘」と 呼ばれていた
自分の名は いつも借り物
貼られた名前を また外している
外した名前を 鞄にしまい
郵便受けの 名も剥がす
白い跡には 触れないままで
ドアの外へと 一歩を出す
「隣にいたい」 とは言わないで
鍵を握って ドアを閉める
名前は一つに 戻っただけ
壁に残った 白い名残り
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

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表札のフェアウェル
Akemi
「表札のフェアウェル」は、二人で掲げた名前を自分の手で外していく別れを描いたミディアムテンポのシティポップ。
冬の朝の神泉の坂、ドライバーで回す表札のネジ、彼の字で並んだ二つの名字、手のひらに落ちる木の重さ、壁に残る日焼けの跡――名前があった場所の輪郭だけが、静かに浮かび上がっていく。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、掲げた名前を嘆かずに外し、縋る言葉を呑み込んで、自分の名前一つに戻ることを選ぶ大人の孤独。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、冬の街角、掲げては外される名前、日焼けの跡に残る面影を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
最後のネジを抜くと表札が手のひらに落ち、壁には日に焼けなかった白い輪郭だけが残る。白い名残りには触れないまま、鍵を握ってドアを閉め、名前を一つに戻して去る――そんな静かな別れを描いた楽曲。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
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