

昔は
夜が来れば
みんな
戸を閉めた
今じゃ
誰も
振り向かない
人の夜など
気にもしなかった
月も闇も
俺たちのものだった
森の奥には
逃げ道があって
土の匂いが
名前を覚えてた
それがいつから
変わったんだろう
木々は倒れて
道になって
冷たい壁が
空まで伸びて
帰る場所さえ
見失った
鉄の獣が
夜を走って
頭の上では
光が飛び交う
眠らない街
明るすぎる空
闇さえ今じゃ
隠してくれない
祠は消えて
川は囲われ
古い道には
名前がついて
俺たちだけが
取り残された
時代の端で
息を潜めてる
昔は
名前を呼ばれた
震える声でも
呼ばれていた
怖がられることさえ
今になれば
誰かに
覚えられてた証だった
妖怪なんて
もう誰も
恐れちゃくれない
時代になった
画面の中で
笑われながら
作り話だと
片付けられる
都市伝説とか
キャラクターとか
そんな名前に
塗り替えられて
それでもここに
いるんだよ
見えなくたって
いるんだよ
ねえ
誰かひとりでいい
俺たちのこと
覚えてないか
Ah…
消えたわけじゃ
ないのに
Ah…
忘れられただけ
昔は祟りと
恐れられた
名前を聞けば
子どもが泣いた
今じゃ絵本の
挿絵になって
丸い目をした
愛嬌者
「かわいいね」って
笑われながら
知らない顔で
ページをめくられる
怖がってほしい
わけじゃない
ただ
昔ここに
いたことだけ
忘れないで
ほしかった
祭りは残って
意味だけ消えて
歌は残って
理由を失くした
誰かが写真を
撮って帰って
次の季節には
忘れてしまう
百年守った
森の境も
昨日のニュースで
更地になった
俺たちが守った
ものの名前さえ
今は誰にも
届かない
消えるって
死ぬことなのか
忘れられることを
言うのだろうか
もしそうなら
俺たちはもう
半分くらい
消えている
妖怪なんて
もう誰も
恐れちゃくれない
時代になった
検索すれば
名前は出るのに
そこに俺たちは
映っていない
イラストになって
玩具になって
物語の中に
閉じ込められて
それでもここに
いるんだよ
この街の隅で
息をしてる
ねえ
誰かひとりでいい
本当にいたと
信じてくれないか
怖がられたかった
わけじゃない
祟りたかった
わけでもない
ただ
夜があって
森があって
川があって
その隣で
生きていただけ
人と同じように
帰る場所が
ほしかっただけ
名前を
忘れないで
声を
忘れないで
姿が
変わっても
昔話に
なっても
俺たちが
生きていたことを
誰か
覚えていて
妖怪なんて
もう誰も
恐れなくても
それでいいんだ
ただひとつだけ
願えるなら
消えたことには
しないでほしい
キャラクターでも
物語でも
入口ならば
それでいいから
その向こう側に
いた俺たちを
一度くらい
思い出してほしい
ねえ
誰かひとりでいい
夜道を歩く
その瞬間に
ふと
何かいるかもって
思ってくれたら
それだけでいい
忘れないで
忘れないで
名前が変わっても
姿が変わっても
忘れないで
忘れないで
ここにいたことを
森が消えても
祠が消えても
夜が明るく
なりすぎても
俺たちはまだ
この世界のどこかで
生きている
コンクリートの
隙間で
息を潜めて
まだ
俺たちは
ここにいる
- 作詞者
D:RISE
- 作曲者
D:RISE
- プロデューサー
D:RISE
- ボーカル
DG5

DG5 の“忘れないで”を
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闇が深まれば、彼らの時間が始まる。
月夜を練り歩く百鬼夜行、満開の桜の下で繰り広げられる宴、人ならざる者たちの妖しい恋。そして、時代の変化とともに居場所を失い、忘れられていく妖怪たちの切ない声。
華やかで、妖しく、時に激しく、そしてどこか哀しい——。
和楽器と現代サウンド、DG5の個性豊かな5つの歌声と重厚なフルハーモニーが描き出す、人と妖怪の世界の狭間。
恐れられ、愛され、語り継がれ、やがて物語になっていく彼らは、それでも今夜もどこかで生きている。
これは、忘れられゆく妖怪たちが残す
ひと夜の物語。
**DG5『妖怪道中』**
さあ、百鬼夜行のお通りだ。



