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若々しい熟成の奇蹟
熟成というのは、もちろん時間が作り上げるものに決まっている。
じっくり長い時間をかけて、 豊かさと奥行きが深まり、 内から磨き上げられるのが熟成だ。
ところが、なんにでも嬉しい例外がある。
奇蹟の名人集団、なにわ 《オーケストラル》 ウィンズは、 結成から丸3年、わずか4回の演奏会で、もう熟成の音を獲得しているのだ。それは交響楽団等の日本中の名手が集結したからといって、たやすく可能なことじゃない。本当なら、時間からの贈り物のはずの熟成を、彼らは鮮やかな「音楽する心」で早々と実現させている。これもまた彼らの新しい奇蹟だ。
この日、ザ・シンフォニーホールの空間に最初の音が鳴り響いた瞬間、「来て良かった・・・」と思った人が多かったはず。そんな、しみじみとした空気が広がっていったから。だから、これは単にウマイだけで人を驚かせる演奏じゃない。人の心に深々と迫る、音楽の「爽快な熟成」を届ける演奏なのだ。
この「若々しい熟成」にこそ、日本の管打楽器界の美しい明日が約束されている。
響 敏也(作家・音楽評論家)
交響楽団奏者達によるスペシャル吹奏楽
ブレーンミュージック