渦巻きのロングプレイのジャケット写真

歌詞

渦巻きのロングプレイ

Akemi

八月の底の 眠れない部屋

緑の渦に 火を移す夜

陶器の皿に そっと据えれば

細い煙が 天井へ立つ

いつもは渦を 半分に折って

夜を短く 使ってきたの

持て余すのを 認めたくなくて

香りの尺まで 値切ってた夏

折れば夜が済む 眠れない分も

折らねば長い 一人の香り

渦の減り方で 時を計る癖

夏の終わりが 窓から匂う

緑の缶の 蓋を開ければ

底に一つの 渦が残るだけ

この夏最後の 夜の長さを

どう使うかは 私の勘定

盆にも帰らない 三度目の夏

帰れる街の 遠い花火も

数に入れずに 暮らしてきたけど

最後のひと巻き 折らずに点ける

全長のまま 皿に据えた渦

朝までの香り 引き受ける夜

眠れないなら それも夏のうち

蒲団の外に 腕を投げ出す

明け方の窓 秋の匂いに

燃え尽きた灰は 渦の形のまま

崩さないように 皿ごと運び

空の缶だけ 棚へ仕舞うわ

  • 作詞者

    Akemi

  • 作曲者

    Akemi

  • プロデューサー

    nanayon music

  • ミキシングエンジニア

    nanayon music

  • ボーカル

    Akemi

渦巻きのロングプレイのジャケット写真

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    渦巻きのロングプレイ

    Akemi

「渦巻きのロングプレイ」は、八月の終わりの眠れない夜を、蚊取り線香の渦の長さに重ねて描いたミディアムテンポのシティポップ。
緑の渦に火を移す指先、陶器の受け皿、半分に折って短くしてきた夏、缶の底に残った最後のひと巻き、そして天井へ立つ細い煙――夜の長さを値切ってきた暮らしの底から、認めずにきた孤独の輪郭を静かに浮かび上がらせる。

架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、一人の夜を持て余したと認めたくないまま渦を折り続けてきた自分に気づき、最後のひと巻きを折らずに点けることで夜の全長と向き合う大人の孤独。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、夏の終わり、部屋の空気、眠れない夜の湿度感を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。

盆にも帰らない三度目の夏、缶の底の最後のひと巻きに、折らずにそのまま火を点ける。
朝までの香りを引き受け、渦の形を保ったままの灰とともに秋を迎える――そんな孤独との静かな和解を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.

アーティスト情報

nanayon music

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