※ 試聴は反映までに時間がかかる場合があります。
※ 著作権管理事業者等が管理する楽曲は試聴できません。
アイルランドの盲目のハープ奏者カロラン Turlough O'Carolan (1670-1738) の作品。19世紀の歴史家ハーディマン James Hardiman (1782-1855) は、カロランが初めに作曲したのはこの「妖精の女王」であるとしている。バンティングによると Coffers nor stores という民俗音楽を元にカロランが作曲。初出はダブリンのニール父子の曲集 (1724) で、 “Fairy Queen by Signor Carrollini” とイタリア風の名前で書かれている。当時作曲者の名前が明記されるのは珍しかった。ラメント、あるいはキョール・モールの形式で書かれており、テーマと4つの変奏に編曲。一部に盲目のハープ奏者エクリン・オカハン Echlin O’Cathain (1729-aft.1791) のヴァージョンを取り入れている。
楽器製作、編曲、演奏:寺本圭佑
使用ハープ :ゆりのき製金属弦ハープ(op.65, 27弦, G2-E6)
寺本圭佑(てらもとけいすけ)ハープ 京都市出身、横浜市在住。雨田光示氏にハープ、坂上真清氏にネオ・アイリッシュ・ハープ、樋口隆一氏に音楽学を師事し、失われたアイリッシュ・ハープの音楽美意識を追求。18世紀以前のアイリッシュ・ハープの研究により芸術学博士(明治学院大学大学院)。2017年と22年、BS-TBS「こころふれあい紀行~音と匠の旅~」にアイリッシュ・ハープ研究家として出演。ケルトの音色を現代によみがえらせる活動を取り上げられる。『ケルト文化事典』(東京堂出版)の「ハープ」「オカロラン」等、『浜松市楽器博物館総合案内図録2020』「アイリッシュ・ハープ」の項目を担当。横浜と京都でハープ教室を開講し400名以上を指導。2014年から独学で347台以上のハープを制作(2025年4月現在)。この楽器の普及活動に役立てている。2022年『20弦ハープで奏でる366の曲集』を上梓。2024年3月22日から毎日18時に自作ハープによる演奏動画をYouTubeにアップしている。www.youtube.com/@telynmoto