暗くもなく狭くもないこの部屋で
僕と君は言葉だけを交わす
等間隔で静かに呼吸を続ける秒針は冷静に世界を描いている
「或いはきっとね、君になりたくて…!」
寂しく流された視線に口を閉ざした
「退屈な日常を貴方は幸せだと感じている?」
虚しく声は部屋に溶けて
君は黙って僕を刺した
「痛みすら息をしている証だ」
声にしたくて書き殴った憂いや、呪いとか、愛は
動けない花瓶の中で花開く
日の目を避けたつもりなんてものもなく
花開いたのがこの部屋の中だっただけ
もう僕はただ美しく在りたいと願い
誰彼の目にも触れず散りゆくのか
「愛、それだけでどうにかなるほどもう貴方はちっぽけではなく
それだけでどうにかなるほどまだ貴方は許されてはいない。
嫉妬、焦燥、諦念、愛情。
あらゆる情念がまたあなたを執拗に篭絡しようとするだろう。
それでも私を目を合わせ続け
向き合おうと藻掻き続けるなら
いつか貴方はまた壊れてしまうかもしれない。
狂い始める自律神経。
浅い眠り。浅い呼吸。
精神に鉋(かんな)を掛ける覚悟はまだあるだろうか。」
ずっと君の声が乱反射してる
「僕の願いさえ君の背中に託して…」
「答えは見つかった?」
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Umine Shiranami
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Umine Shiranami
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