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果てしなく続く城壁を、音が駆け抜ける。
「Great Wall」は、RIN & THE CONTINUUMによる世界遺産シリーズ第7作。
幾重もの山々を越え、地平線の彼方まで続く万里の長城。その圧倒的なスケールと険しい起伏を、猛烈なスピードと変拍子、そして三人の超絶技巧によって描き出した高速モダンジャズ・ピアノトリオである。
楽曲は冒頭から一気に加速する。藤堂凛のピアノが鋭いフレーズを放つと、ルカ・モレッティのウッドベースが高速の対旋律で追いかけ、マリク・ジョンソンのドラムが強烈な推進力を生み出す。7/8、5/8、4/4と次々に拍子が切り替わりながらも、その疾走感は決して途切れない。
まるで険しい山の稜線に沿って続く城壁を、三人が全速力で駆け抜けていくように、ピアノ、ベース、ドラムが激しく交錯する。終盤では複雑なリズムがさらに加速し、三者のユニゾンと即興が限界までせめぎ合いながら、巨大なクライマックスへとなだれ込んでいく。
止まらない。
振り返らない。
ただ、遥か彼方へ。
「Great Wall」は、悠久の歴史を持つ巨大な建造物を静かに見つめるのではなく、その上を音楽そのものが駆け抜ける瞬間を描いた、シリーズ屈指のスピードとスリルに満ちた一曲である。
RIN & THE CONTINUUM は、日本人女性ピアニスト・藤堂凛を中心に結成されたモダンジャズ・ピアノトリオ。 圧倒的な演奏技術とシネマティックな構成力を武器に、モダンジャズ、フュージョン、ロック、現代音楽の要素を横断しながら、強烈な物語性を持つインストゥルメンタル作品を生み出している。 藤堂凛のピアノは、繊細な静寂から爆発的な超絶技巧までを自在に行き来し、複雑な変拍子や転調を感情表現へ昇華させる。 イタリア出身のベーシスト、ルカ・モレッティは、メロディックかつ流動的なプレイでトリオ全体に深い推進力を与え、アメリカ出身のドラマー、マリク・ジョンソンは、圧倒的なグルーヴとリズム構築力で楽曲の空気そのものを変化させる。 彼らの音楽は単なる技巧の誇示ではなく、 “静と動”“知性と感情”“混沌と美”を行き来する、ひとつの映画のような体験である。
SNAP