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鈴木諭2ndアルバム『アトピーのうた』、制作期間9か月を経てついにリリースされた。 大半の楽曲が暗く陰鬱な雰囲気を纏っており、異様なほど厭世的な内容となっている。 さらに歌詞に注意を向けると「死・病気・火葬・仏壇」と言った言葉が散見され、前作のような明るくポップな側面を期待しているリスナーは拍子抜けを食らうかもしれない。 だが本作には以前には持ち得なかった、痛々しさを伴った鈴木諭という一人の人間の悲痛な叫びが感じられる。 とくに表題曲である『アトピーのうた』は、彼の持病をテーマに据えた内容であり、おそらく世界で初めての「アトピー性皮膚炎」の歌だろう。 郷里の秋田弁を用いたものや、斬新な構成の楽曲も見受けられ、このような音楽的に挑戦する姿勢も存在することからも、本作は音楽家鈴木諭としての一つの試金石となるのではないだろうか。 真っ暗な夜にこのアルバムに耳をすませば、我々は何か大事なことに気づくかもしれない。
地獄の詩世界と秋田弁ブルースを唄う、ただの秋田県人。じゅんさい王国(旧・山本町)出身。2023年頭より弾き語りを本格始動し、代表曲である『犬の川』はライブ演奏を通し多数の人間から「これは犬の楢山節考だ」などと激賞を得た。また秋田弁ブルースは「何を言ってるか全く分からないけど面白い」等の声を集め、ライブの重要要素の一つとなっている。
哥処 墨林庵