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棟方志功のノミで頭をえぐり取られたーーーー鈴木諭氏は棟方志功の版画を見て受けた衝撃をそう語った。
およそ絵を見た印象を表現する言葉では無いのだが、一度でも棟方版画を見たことがある人ならば、その形容詞にも頷けよう。
言うまでもなく、棟方志功は日本を代表する版画家であり、今年は生誕120周年にあたる節目の年である。
青森出身という背景・仏教への厚い信仰心などの影響が煮えたぎる鍋に放り込まれ、表現しがたい形で版木に表出してくるその様は、まさに棟方志功でしか表現できないものだ。
鈴木諭氏は近年絵筆も握り始めたが、棟方版画の模写をしていると他の絵師では感じないような、「自分へ溶け込んでくる感覚がする」と語る。
それはやはり同じ東北という血がそう感じさせるのであろうか。
溶けだしたものが音楽として溢れ出した本作「棟方志功のノミで頭をえぐり取られた」を聴き、氏の言うところを感じてみて貰いたい。

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哥処 墨林庵