Lyric

声も温もりも

まだこの胸に残るのに

風にほどけし髪を結ひ

手を取るたびに春は来た

「其方と居れば何も要らぬ」と

笑ろうた君が全てやった

債の帳に名前が沈み

誰のものにもなりたくなかりし

されど母には薬がいる

わっちの恋は金に消えゆ

灯りくぐりて其方が来る

変わらぬ眼差し胸が裂ける

抱かれぬままに 夜が終わり

名もなき客と化けてゆく

触れば壊るる心ゆえ

言葉も笑みも嘘で塗る

「また来るよ」と微笑む其方

頷きながら泣かぬ術

会えば想いは燃え上がり

離れねば良かったと嘆く

されど過ぎしは戻らずに

恋も我が身も売られてゆく

灯りくぐりて其方が来る

変わらぬ眼差し胸が裂ける

何度 抱かれて 心は其方

この恋だけが罪となる

来世に咲かば 笠の下

誰にも売られぬ野辺の花

其方が名を呼ぶその時は

指も心も添えて咲く

灯りくぐりて其方が来る

変わらぬ眼差し 胸が裂ける

夢に縋って 今をゆく

結べぬ恋に身を焦がす

声も温もりも

まだこの胸に残るのに