the Song of the Boy-Crow Front Cover

Lyric

Chapter 3 Resonance

NOMADE theZuicidalCrow

値するに決まってる…

死に値するに決まってる

少年は悶えた

それを隠すかの如く繰り返し繰り返しそう唱えた

「…悔しいだけなんだろう?」

虚しいだけなんだろう

生きる上での不条理

頭上にはカラスが素通り

僕みたいな苦労人は無防備に晒され

無情にも死に向かう

向こう見ずなこの態度がちょうど都合いい

今すぐ「死ななくてはならない」強迫観念

受ける必要など微塵もない懲罰なんて

勝手に捨て去り遠ざく安寧

少年の決死の形相

咆哮が沈む腐葉土

この身体の用途はもうない

ずっと小説描き連ねて部屋に引きこもり

今この死に処に…地に呪い

死ぬ際の分かりかねぬ想い

だが肉体の瓦解は止められず

充足されぬ欠乏に

絶望人を閉じ込める鉄格子

まさにこいつが人生の天王山

遠慮なんていらないこの全能感

これはどうにもよくない現状

だが決起する玉砕戦法

この情動の操り人形

今さら耳に届く吐かない心音

そいつはやけに脆くある

誰に届くかこの孤独感

澄んだ水でも淀む感じ

先に漂い始めた腐敗臭に

喉元に食い込むロープへ喰らいつく

聴こえた気がした「生きろムカつく」?

揺れる僕のため木々も揺らぐ

夕陽も沈んで夜風に舞う

本当に表現したかったのは野垂れ死んだ惨めな自分じゃない

自分が“そうぞう”した世界なんだ…

案外真っ直ぐ進んでいた線を折り

エントロピーを増大させまいとする局所的な抵抗

この死すら生への欲望へ帰す

独創的でもなんでもない単なる死

俺は今衝動にいる

少年の病症は浄土へ逝くには不十分

生きたくても生きられなかった仲間達の悪夢のような憎悪を

一身に浴びて死を赦されぬカラスがちょうど少年を捉えていた

暗闇に犯される直前、カラスの瞳が確かにこう語りかけてきたんだ

「俺が死にたいんだ」

沈黙が訪れた

  • Lyricist

    NOMADE theZuicidalCrow

  • Composer

    STVRBOY

  • Recording Engineer

    Ryuta Toduka

  • Mixing Engineer

    Ryuta Toduka

  • Mastering Engineer

    Ryuta Toduka

  • Rap

    NOMADE theZuicidalCrow

the Song of the Boy-Crow Front Cover

Listen to Chapter 3 Resonance by NOMADE theZuicidalCrow

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  • 1

    Chapter 1 the Song of the Boy

    NOMADE theZuicidalCrow

  • 2

    Chapter 2 the Song of the Crow

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  • ⚫︎

    Chapter 3 Resonance

    NOMADE theZuicidalCrow

  • 4

    Chapter 4 Worth

    NOMADE theZuicidalCrow

  • 5

    Chapter 5 Author

    NOMADE theZuicidalCrow

  • 6

    Chapter 6 Soar

    NOMADE theZuicidalCrow

少年は本当は生きたかった、だが欠乏が充足されず死を選んだ。カラスは本当に死にたかった、欠乏を充足させる意志が絶たれた空なる殻。
少年の意志は残り、カラスは衝動に朽ちて散った。少年の精神はカラスの肉体に宿り、その脳をくだらぬ自分の軌跡が上書きする絶望に打ちひしがれる毎日。
ある日誰も居なくなったカラスの森に少女の形をしたカラスがいた。彼女は瞳に映る穢いカラスを見て「誰よりも人間みたい」、と呆れたように笑っていた。

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